飲食店の原価率とは?
業態別の目安一覧と利益を残す改善策を解説
飲食店の原価率を徹底解説|適正な目安・業態別一覧・利益を残す改善策【現場15年の知見】
飲食店を経営していて、こんなふうに感じたことはありませんか?「毎月忙しく営業しているのに、手元にお金が残らない」「原価率は30%を目標にしているのに、実際はいつも超えてしまう」「値上げしたいけど、お客様が離れそうで踏み切れない」——。
その悩みの根本は、原価率の「数字の追い方」にあることがほとんどです。
この記事では、15年・3,000店以上の飲食店支援実績を持つレストランスターが、現場で見てきたリアルな視点から原価率の正しい理解と管理・改善の方法を徹底解説します。
この記事でわかること
- 飲食店の原価率の正しい計算方法と、業態別の適正な目安
- 「30%神話」がなぜ今の時代に通用しないのか——最新の公的データで解説
- 原価率を「下げる」より「売上を上げる」方が早い理由と、実践的な逆転発想
- 看板メニューの原価率をあえて高く保ってリピーターを生む戦略
「原価率が高くて利益が残らない」とお悩みの飲食店経営者の方へ。3,000店以上の支援実績を持つレストランスターのサービス内容・導入事例・料金をまとめた資料を無料でご用意しています。
目次
飲食店の原価率とは?基本の定義と計算式

飲食店の原価率とは、売上高に対して食材費(原価)が占める割合のことです。この数値を正しく把握することが、利益を残す経営の第一歩となります。
原価率の計算式
原価率の基本計算式は、次のとおりです。
たとえば、1,000円のラーメンの食材費が300円であれば、原価率は30%です。メニューごとに原価率を把握することで適切な価格設定が可能になり、店舗全体の収益管理にもつながります。
メニュー単体と店舗全体、2つの原価率
原価率には2種類あります。ひとつは「メニューごとの原価率」で、個別の価格設定に使います。もうひとつは「店舗全体の売上原価率」で、月次の収益管理に使います。後者は「当月仕入高+前月末在庫高-当月末在庫高」で算出した売上原価を、月間売上高で割ることで求められます。
ロス率・歩留まりも含めた「真の原価率」
計算上の原価率と実際の原価率にはズレが生じます。その主な要因が「ロス率」と「歩留まり」です。
ロス率とは廃棄や調理ミスで失われた食材の割合で、「ロス金額÷売上高×100」で算出します。一般的には3〜8%程度が実態とされており、管理が行き届いた優良店では2〜3%を達成しています。一方、管理が不十分な店舗では10%以上に達するケースも珍しくありません。
歩留まりとは、仕入れた食材のうち実際に使用できる可食部の割合です。たとえば1kgの魚を仕入れても骨や内臓を除くと800gしか使えない場合、歩留まりは80%です。この場合の実質原価は仕入れ価格÷0.8で計算されるため、見かけより高くなります。
理論原価(レシピ通りの原価)と実際原価(棚卸しで算出)のズレを定期的に確認することが、原価管理の精度を高める鍵です。
飲食店の原価率「30%目安」は今も正しいのか
「飲食店の原価率は30%が目安」という言葉をよく耳にします。この数字は、飲食店の標準的なコスト構造から導かれたものです。
つまり「30%」は利益10%を確保するための逆算値です。しかし近年、この前提が大きく崩れつつあります。
最新データが示す「30%」の現実離れ
日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査」(2024年8月公表・2023年度データ)によると、日本政策金融公庫の融資先である小規模法人の一般飲食店では、売上高総利益率の平均値が63.1%と報告されています。原価率に換算すると36.9%(原価率=1-売上高総利益率)となり、実態は30%台後半が現在の水準に近いと言えます。なお黒字かつ自己資本プラスの優良企業に絞っても34.1%であり、「30%目安」との乖離は業態を問わず広がっています。
さらに、帝国データバンク「景気動向調査」(2025年3月)では、飲食店の約9割以上が仕入れ価格の上昇に直面しており、これは全業種で最も高い水準とされています。価格転嫁できた飲食店は6割台にとどまり、その差を自己負担で吸収し続けているのが現実です。
▶ 飲食店の物価高対策の詳細はこちら:「飲食店の物価高はいつまで続く?影響・原因・値上げ対策を完全ガイド」
「30%」にこだわりすぎる危険性
30%という数字に縛られると、原価を下げることが目的化し、食材の質を下げる→顧客満足度が落ちる→客足が遠のくという悪循環に陥るリスクがあります。重要なのは「30%を守ること」ではなく、「利益が残る構造を作ること」です。そのためには原価率単体ではなく、次章で解説するFLコストの視点が不可欠です。
業態別!飲食店の原価率の目安一覧
原価率の適正値は業態によって大きく異なります。自店の業態と照らし合わせて確認してください。
| 業態 | 原価率の目安 | FL比率の目安 | 特徴・ポイント | 原価が高い理由 |
|---|---|---|---|---|
| カフェ・喫茶店 | 25〜35% | 55〜65% | ドリンク主体で原価率は低め。フードは30〜40%になる傾向。回転率の低さが課題。 | スイーツ・フードの原材料 |
| ラーメン店 | 30〜35% | 55〜60% | スープにコストがかかりやすい。高回転でカバー。サイドメニューで全体バランスを調整。 | スープ・チャーシューの仕込み |
| 居酒屋 | 25〜35% | 55〜65% | ドリンクの粗利が高く全体を引き下げる。生ビール原価率15〜25%前後、刺身は50%以上になることも。 | 生鮮食材・鮮魚の廃棄リスク |
| レストラン(洋食・和食) | 30〜40% | 60〜70% | 席回転率が低く人件費も高め。ドリンク比率を高める・セット販売でバランスを取る。 | 高品質食材・調理工数 |
| 寿司・焼肉・高級業態 | 40〜50% | 65〜75% | 食材原価は非常に高いが客単価も高い。ドリンクとサイドメニューで収益を補完する。 | 鮮魚・高級肉の仕入れコスト |
| バー | 20〜30% | 50〜60% | ドリンク中心で原価は低い。体験・空間の価値で高単価を実現しやすい業態。 | 比較的低い(ドリンク主体) |
| デリバリー専門店 | 25〜35% | 50〜60% | デリバリー手数料がプランや業者により売上の20〜35%程度かかるため、原価率を抑えないと利益が消える。 | 梱包資材・デリバリー手数料 |
| 定食屋・大衆食堂 | 30〜35% | 55〜65% | 日替わりメニューで食材ロスを最小化。地域密着の常連客に支えられる安定型業態。 | 多品目の食材使用 |
※各数値は一般的な目安です。店舗の立地・コンセプト・客単価によって異なります。
業態ごとの収益性の違いについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご参照ください。
▶ 飲食店で儲かるジャンルベスト10【2026年最新】利益率・原価率・選び方を解説
FLコストで考える!原価率だけを見ていると危険な理由
原価率だけを指標にして経営判断するのは危険です。なぜなら、食材費だけを下げても人件費が高ければ利益は出ないからです。そこで重要になるのが「FLコスト」の概念です。
FLコストとFLR比率とは
FLコストとは、Food(食材費)とLabor(人件費)を合わせたコストの総称です。さらに家賃(Rent)を加えたFLR比率も、経営管理の重要指標として活用されます。
例)月商500万円の場合:食材費30%(150万円)+人件費25%(125万円)=FL比率55%
※都心の高家賃立地や高単価業態では65%前後でも成立するケースがあります。立地・業態・客単価を踏まえて判断してください。
一般的にFL比率が65%を超えると利益の確保が難しくなり、70%を超えると赤字リスクが急激に高まります。ただし都心の高家賃立地や高単価業態では、FL比率が65%前後でも家賃比率を低く抑えることで成立するケースもあります。また、FLR比率(家賃を含む)が売上の70%を超えると、いくら売れても赤字になりやすい構造です。
「原価率が高くても利益が出る」ケースがある理由
たとえば焼肉店は原価率が40〜50%と高水準ですが、客単価も高く、ドリンクの粗利でFLコスト全体のバランスを保っています。逆に、原価率が比較的低いデリバリー専門店でも、デリバリー手数料(プランや業者によって売上の20〜35%程度)が加わると、FL+手数料の合計が大幅に膨らみ利益が消えてしまうケースがあります。
重要なのは「原価率の数字」ではなく、「FL比率を60%以内に収める構造を作れているか」という視点です。原価率が高い業態では人件費を抑える設計(ワンオペ・セルフ化など)で補完し、人件費が高い業態では原価率を低く保つ工夫をすることで、トータルのFLバランスを整えることが求められます。
| パターン | 原価率 | 人件費率 | FL比率 | 判定 | コメント |
|---|---|---|---|---|---|
| 理想的なバランス | 30% | 25% | 55% | ◎ 優良 | 十分な利益が確保できる健全な構造 |
| 原価高め・人件費抑制 | 38% | 22% | 60% | ○ 許容範囲 | 省人化や高単価で補完できていれば問題ない |
| 原価30%・人件費高め | 30% | 35% | 65% | △ 注意 | 原価率30%でも人件費次第で利益が消える |
| 両方が高騰 | 37% | 35% | 72% | ✕ 危険 | 赤字になる可能性が高い。即座に構造改革が必要 |
※家賃・光熱費・その他経費は含まず、FL比率のみでの比較です。
原価率が高い食べ物・低い食べ物の一覧

原価率はメニューによって大きく異なります。高原価メニューと低原価メニューをどう組み合わせるかが、店舗全体の収益構造を左右します。
原価率が高いメニューの代表例(40〜60%)
刺身・寿司などの鮮魚料理、ステーキ・焼肉などの高級肉料理、生ビール(仕入れ価格が高め)、日本酒・ワインなどの酒類、旬のフルーツを使ったスイーツなどが原価率の高いメニューの代表例です。これらは廃棄リスクも伴いますが、集客の核となる「看板メニュー」として機能する重要な存在です。
原価率が低いメニューの代表例(10〜25%)
コーヒー・紅茶などのドリンク(原価率10〜15%)、フライドポテト・唐揚げなどの揚げ物、冷奴・枝豆などの居酒屋定番サイドメニュー、パスタ・ピザなどの粉物料理、ハイボール・サワーなどの炭酸系ドリンク(原価率10%前後)が代表例です。
「集客商品」と「収益商品」に分けて設計する
すべてのメニューの原価率を一律に低く抑えようとするのは誤りです。原価率が高くても集客力のある「集客商品(看板メニュー)」と、原価率が低く安定した利益を生む「収益商品(サイドメニュー・ドリンク)」を戦略的に組み合わせることで、店舗全体の平均原価率を適正に保てます。
たとえば、刺身盛り合わせを集客商品として原価率50%で提供しつつ、ハイボールを収益商品として原価率10%で積極的に推進すれば、全体平均は30%前後に収まります。この「メリハリ設計」こそが、現場での原価管理の本質です。
【逆転の発想】原価率を下げるより売上を上げる方が早い
多くの飲食店経営者が「原価率を下げなければ」と考えます。しかし15年・3,000店以上の支援経験から見えてきた現実は、「原価率の改善だけに集中しても、経営は大きく改善しない」という事実です。
「原価率1%改善」vs「客単価1%アップ」、どちらが効果的か
月商300万円の飲食店を例にシミュレーションしてみましょう。
原価率を31%から30%へ1%改善した場合、削減できる原価は月3万円です。一方、客単価を1%アップ(例:2,000円→2,020円)した場合、来客数が同じと仮定すれば売上は月3万円増加します。数字上は同じに見えますが、重要な違いがあります。原価率の改善は食材の質を下げるリスクを伴い、長期的に顧客満足度を低下させる可能性があります。客単価のアップは、顧客に価値を感じてもらった結果であるため、満足度を維持・向上させながら収益を改善できます。なお、客単価アップは値上げやメニュー提案力に依存するため、実行難易度は店舗の状況によって異なります。
さらに、来店頻度を月1回から月1.2回に増やせた場合の効果はどうでしょうか。それだけで売上は20%向上します。来店頻度のわずかな改善でも、原価率を何%も削減するよりはるかに大きなインパクトが得られるのです。リピート率を高める施策への投資が、収益改善の最短ルートになる理由がここにあります。
顧客アンケートデータを活用した客単価・来店頻度の改善
レストランスターの支援店舗では、公式アプリのアンケート機能を活用して「どのメニューが満足度が高いか」「何があれば来店頻度が上がるか」などの顧客の声を定期的に収集しています。このデータをもとにメニューを改善・絞り込みした店舗では、原価率を変えずに客単価が5〜12%程度向上したケースが見られます。
原価率を無理に下げるのではなく、顧客が「また来たい」「もう一品頼みたい」と感じる体験設計に投資する方が、長期的な収益改善につながります。
値上げを成功させた店舗の共通パターン
「値上げ=客離れ」と恐れる経営者は多いですが、正しいやり方で値上げに成功した店舗には共通のパターンがあります。
まず「なぜ値上げするのか」を正直に伝えることです。「原材料費の高騰により、品質を維持するために価格を改定します」というメッセージは、常連客が多い店舗では比較的受け入れられやすく、丁寧な告知によって客離れを最小限に抑えられるケースが多く見られます。次に、価格改定と同時に「価値の向上」を組み合わせることです。盛り付けのリニューアル・器の変更・サービスの一つ追加など、お客様が「以前と変わらないか、むしろよくなった」と感じる工夫が客離れを防ぎます。
また、メニュー構成に「松竹梅の法則」を活用することも有効です。3つの価格帯を設定すると、お客様は心理的に中間の「竹」を選ぶ傾向があります。これは行動経済学でも「中間選択の法則」として知られており、選択肢の中央を安心・適正と感じやすい人間の心理に基づいています。この竹のポジションに「最も売りたい・利益率が高い」メニューを配置することで、自然に注文が集まる設計が作れます。
▶ 原価率に頼らない価格設定の詳細はこちら:「儲かる飲食店の価格設定7つのポイント」
「原価を下げるより売上を上げる」を実現する仕組みとは?
来店頻度を上げ・客単価を高め・ファンを育てる——この3つを同時に実現するのが、飲食店向け公式アプリです。レストランスターでは、3,000店以上の支援実績から生まれた「リピーター育成の仕組み」をアプリで提供しています。ポイントカード・クーポン・アンケート・プッシュ通知を一元管理でき、原価を変えずに収益を改善した事例を無料資料で公開しています。
看板メニューの原価率が高くてもリピーターが増える理由
「原価率の高いメニューは廃止すべきでは?」と考える経営者は少なくありません。しかし、3,000店以上の支援で見えてきた現実は逆のケースが多くあります。原価率の高い看板メニューを持つ店舗ほど、リピーター獲得力が高い傾向が見られます。
「あの店でしか食べられない」が再来店の最大動機
お客様が飲食店に再来店する理由を分析すると、「価格が安いから」よりも「あの料理がもう一度食べたいから」という動機が圧倒的に多く見られます。原価率が高い看板メニューには、それだけの食材・技術・こだわりが込められており、お客様はその価値を敏感に感じ取ります。
「この店の〇〇は特別だ」という体験が生まれれば、多少アクセスが不便でも、多少高くても、お客様は通い続けます。
高原価メニューを維持しながら収益を出すメニュー構成の実例
刺身盛り合わせ(原価率50%)を看板メニューにしている居酒屋Aの例を見てみましょう。この店は一見して原価率が高いように思えますが、ドリンクの平均原価率が10〜20%程度、サイドメニューの平均原価率が20%前後であるため、全体の平均原価率は32%前後に収まっています。さらに、刺身を目当てに来店したお客様が「ついでにドリンクを追加注文する」という行動が生まれ、客単価が自然に上がる仕組みになっています。
高原価メニューは「集客の入り口」として機能し、低原価の商品が「利益の出口」として機能する——この設計こそが、看板メニューを生かした原価管理の本質です。
公式アプリが「看板メニュー+追加注文」を自然に促す理由

公式アプリを導入している店舗では、プッシュ通知で「本日の鮮魚が入荷しました」「期間限定メニュー開始」といったタイムリーな情報発信ができます。看板メニューへの来店動機を継続的に作り出し、来店のたびに低原価商品も一緒に注文してもらえる設計が可能になります。また、アンケート機能で「どのメニューが好きか」を把握し、パーソナライズされたクーポンを配信することで、客単価のアップも実現できます。
飲食店の原価率を適正に管理・改善する7つの方法
売上を上げる視点を持ちながら、原価の無駄も着実に減らす。この両輪が重要です。以下の7つの方法は、すぐに実践できる施策から中長期的な仕組みづくりまで、優先度の高い順に整理しています。
①棚卸しと在庫管理の徹底
月次の棚卸しは原価管理の基本です。「当月仕入高+前月末在庫高-当月末在庫高」で実際の売上原価を算出し、理論値との差異(ロス率)を把握します。棚卸しを毎月行うことで、食材の無駄遣いや不正の早期発見にもつながります。
②ロス率を下げる5つの習慣
食材ロスの削減は、原価改善の中で最もすぐに効果が出る施策です。1日1,000円のロスがあれば年間36.5万円の損失になります。実践すべき習慣は、先入れ先出しの徹底・売上データによる仕入れ量の最適化・端材の日替わりメニューへの活用・ポーション(盛り付け量)の定量化・まかないへの有効活用の5つです。
▶ 食材ロス削減の具体策はこちら:「飲食店の食材ロス対策で利益アップ!原因・削減事例・成功ポイント」
③ポーション管理の仕組み化
オーバーポーション(規定量以上の盛り付け)は、スタッフ個人の「サービス精神」から生まれますが、積み重なると原価率を1〜3%程度押し上げるケースもあります。全メニューのレシピと使用量を数値化し、計量スプーン・スケールの使用を徹底することで、誰が調理しても同じ原価率を維持できる体制を作ります。
④食材のクロスユース(共通化)
使用する食材の種類を絞り込み、複数のメニューで同じ食材を活用することをクロスユースといいます。鶏もも肉を「唐揚げ」「親子丼」「サラダのトッピング」に展開すれば、食材の回転率が上がり廃棄ロスが大幅に減ります。メニュー数を絞り込むことで在庫管理も容易になります。
⑤仕入れ先の定期見直しと価格交渉
同じ食材でも仕入れ先によって価格は数%〜10%程度差が出ることもあります。複数業者からの相見積もりを定期的に行い、旬の食材・地元産・規格外野菜の活用なども検討しましょう。ただし、安さだけを追求した仕入れ先の変更は品質劣化を招くリスクがあるため、品質と価格のバランスで判断します。
⑥ABC分析・メニューエンジニアリングの活用
全メニューを「売上数量」と「収益性」の2軸で分析し、それぞれのメニューへの対応策を決定します。売上が高く利益も高い「スター商品」は積極的に推進、売上は高いが利益が低い商品は値上げや仕入れ交渉を検討、売上は低いが利益が高い商品はおすすめ提案で露出を増やす、売上も利益も低い商品は廃止または改良——この4分類で定期的にメニューを見直すことで、全体の原価率を改善できます。
⑦POSデータと顧客データを組み合わせた原価改善
POSシステムで売上データを管理し、どのメニューが・どの時間帯に・どれだけ売れるかを把握することで、仕込み量の最適化と発注精度が上がります。さらに、公式アプリの顧客データと組み合わせることで「来店頻度の高い顧客が好むメニュー」を把握し、利益率の高い商品へ誘導するクーポン設計が可能になります。
▶ データを活用した差別化戦略はこちら:「競合分析でライバル店に勝つ!飲食店経営に必須のリサーチ実践法」
原価率管理で陥りがちな3つの落とし穴

落とし穴①:全メニューを一律30%にしようとする
看板メニューも、ドリンクも、サイドメニューも、すべてのメニューの原価率を30%に揃えようとすると、食材の質を下げるか価格を上げるしか方法がなくなります。重要なのは「メニュー全体の平均原価率を適正に保つこと」であり、個別メニューの原価率にはメリハリをつけることが正解です。
落とし穴②:人気商品を原価率だけで廃止する
「このメニューは原価率が45%だから廃止しよう」という判断は危険です。人気商品には集客力があり、「このメニューを食べたい」という理由で来店し、他のメニューやドリンクも追加注文するお客様が多く存在します。原価率だけでなく、そのメニューが生み出す「集客効果・客単価への影響・リピート動機」を総合的に判断する必要があります。
落とし穴③:原価率を下げすぎて顧客満足度が落ちる
原価率の改善を急ぐあまり、食材の質を落としたり量を大幅に減らしたりすると、お客様に変化が伝わります。「以前よりしょぼくなった」「コスパが悪くなった」という口コミが広がれば、集客力が低下し、結果的に売上が下がって収益が悪化するという本末転倒な結果になります。品質を維持しながらコストを削減する方法——調理方法の改善・仕入れ先の見直し・食材ロスの削減——を優先することが大切です。
飲食店の原価率に関するよくある質問(FAQ)
Q飲食店の原価率の適正な目安は何%ですか?
業態によって異なりますが、一般的には25〜35%が目安です。ただし日本政策金融公庫の2024年公表データでは、一般飲食店の原価率は35〜40%程度の水準とされており、実態は「30%目安」より高い傾向にあります。重要なのは原価率の数字よりも、人件費と合わせたFL比率を60%以内に収めることです。業態別の目安は本記事の比較表をご参照ください。
Q原価率が40%でも利益を出せますか?
十分に可能です。焼肉店・寿司店など高原価業態でも、高い客単価とドリンクの粗利でトータルのFLバランスが保てていれば利益が出ます。原価率40%でも人件費を20%に抑えられればFL比率は60%です。原価率単体で判断せず、FL比率で経営を評価してください。
Q原価率を下げる最も効果的な方法は何ですか?
即効性が高い順に、①食材ロスの削減、②ポーション管理の徹底、③メニューの見直し(ABC分析)です。食材の質を下げることは長期的に逆効果になるため避けてください。またロスを1%削減するだけで、月商500万円の店舗なら月5万円の原価削減になります。まず棚卸しで現状のロス率を把握することから始めましょう。
Q値上げで客離れを防ぐにはどうすればいいですか?
「理由を正直に伝える」「価値向上とセットにする」「段階的に行う」の3点が重要です。原材料高騰を背景に価格改定する場合、品質維持のためであることを告知することでほとんどの常連客は理解します。同時に盛り付けリニューアルや新メニュー追加などで価値を向上させると、値上げ後もリピート率が維持されます。詳しい値上げ戦略はこちらの記事で解説しています。
Q公式アプリは原価率の改善に役立ちますか?
直接の原価削減ではなく「売上・客単価・来店頻度の向上」を通じて収益改善に貢献します。アンケート機能でお客様の嗜好を把握し、利益率の高いメニューへ誘導するクーポンを配信することで、原価率を変えずに粗利額を増やすことができます。原価を「下げる」より売上を「上げる」アプローチとして、リピーター育成ツールは非常に有効です。
RESTAURANT STAR
原価率を下げるより、リピーターを増やす方が経営は安定する。
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まとめ:原価率は「下げる」より「使いこなす」が正解
この記事では、飲食店の原価率について以下のポイントを解説しました。
原価率の適正目安は業態によって異なり、一律に30%を目指す必要はありません。日本政策金融公庫の最新データでは、一般飲食店の原価率は35〜40%程度の水準とされており、30%という数字は現状からかけ離れています。重要なのは原価率単体ではなく、人件費と合わせたFL比率を60%以内に収める設計です。
また、原価率の改善だけに集中するより、売上を上げる・客単価を高める・リピート率を向上させるというアプローチの方が、収益改善のインパクトが大きいことも現場の経験から見えています。原価率の高い看板メニューをあえて維持することが、リピーター獲得と口コミ拡散の起点になることも少なくありません。
原価率を「下げなければならない数字」ではなく、「収益構造を最適化するための指標」として活用することが、長く繁盛する飲食店づくりの本質です。
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それではこの記事は以上です。
この記事の内容が、あなたの飲食店経営の利益改善に少しでもお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。











