知らなきゃマズい!?飲食店で評価制度を上手に運用するには
過去に飲食店の評価制度の重要性などについて事例を交えて詳しく解説したり、評価シートの作り方などをお伝えしましたが、今回の記事では評価制度の運用について徹底解説します。
評価制度にお悩みを抱えている飲食店経営者様の多くは運用面で課題を感じていることが多いです。
せっかく評価制度を作っても上手く運用できていないともったいないですよね。
こちらの記事では、運用面に特化した形でお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
スタッフ個人単位での評価する方法
評価制度を運営していくにあたり、大きく2種類の評価方法があります。
その1つがスタッフ個人単位で評価する方法です。
こちらはスタッフ個人の業務の技術、経営理念に沿った行動、お客様の声、売上目標の達成などの面で個人を評価するといった内容ですので詳しく解説します。
業務の技術
ホールスタッフ・キッチンスタッフそれぞれの業務の技術について評価します。
開店準備・営業中・閉店後の業務についてカテゴリーで分けて各項目を評価するようなイメージです。
【ホールスタッフの評価例】
開店準備の評価として自身の身だしなみ・店内清掃・テーブル・店頭などお客様をお迎えする準備ができているか?準備効率は良いか?などを評価します。
営業中の評価として、お客様が来店されてから退店されるまでの一連の流れ。
例えば『ご来店のご挨拶→テーブルまでのご案内→オーダー→お会計→お見送り→テーブルの片づけ』など、各項目で評価します。
閉店後の評価として、片付け・レジ締め・翌営業日のための準備などを評価します。
【キッチンスタッフの評価例】
キッチンスタッフに関してはメニューのカテゴリー別に評価項目を作るのが良いでしょう。
例えば「サラダ」というカテゴリーであれば、以下のような評価項目にします。
・サラダ系のメニュー全般の仕込みができる
・サラダ系のメニュー全般が調理できる
・サラダ系のメニューの食材管理ができる
・サラダ系のメニューの食材発注ができる etc.
上記の各項目をスタッフ個人の評価に紐づけるわけですから、評価する側は『理想とする姿』というのをキチンと提示してあげるようにしましょう。
そして、スタッフがその『理想とする姿』になっているか?どれくらい近付けているか?といった形で評価してあげると成長にも繋がりやすくなります。
経営理念に沿った行動
前章で『理想とする姿』を提示してあげましょうとお伝えしましたが、そのためにはあなたの経営する飲食店の経営理念をしっかりとスタッフに伝える必要があります。
経営理念は一般的に『お客様のために・・・』などのようなスローガン的なものである場合が多いです。スローガンは少し抽象度が高いためスタッフの行動まで上手く伝わらない可能性がありますので、出来るだけスタッフ個人の行動一つ一つに具体的に紐づけてあげるようにしましょう。
売上などの目標達成率
次は売上などの目標達成率に合わせて評価する方法です。
こちらは個人や店舗の売上目標が達成できたらインセンティブがあるような形が一般的です。
ただ、目標の売上額があまり高すぎると「どうぜ無理だろう・・・」と投げてしまう可能性も0ではないので、ゴールを段階的にしてあげるなど工夫すると良いでしょう。
また、売上だけでなくシフトへの貢献度や、私たちが提供している会員証アプリをご利用中の飲食店様ではリピート率やアプリ会員獲得数などの目標も設定して評価していることも多いです。
管理者・店舗単位での評価方法
2つ目が管理者・店舗単位で評価する方法です。
こちらはスタッフ個人ではなく、店舗全体の売上・利益の目標の達成などの面で評価するといった内容ですので詳しく解説します。
売上などの目標達成率
こちらは個人の評価でもお伝えしましたが、 売上などの目標達成率に合わせて評価する方法です。
個人評価と同じく、売上・リピート率・アプリ会員獲得数などの目標の達成率に対してインセンティブがあるのが一般的です。
利益の目標達成率
こちらは営業利益の目標に対する達成率で評価する方法です。
単純な利益達成率だけでなく、原価率・人件費率・店舗修繕費・求人費・備品費など各項目で前年比などを参考に目標を立てる方が評価すべき点・改善すべき点が明確になります。
改善を促す場合は、そのために必要な具体的な行動計画を一緒に立てるなどしましょう。
QSCチェック
QSCとは、Q→クオリティー、S→サービス、C→クリンリネスの3つの要素のことで、飲食店経営において最も重要なものであると言えます。
例えば広告や宣伝を活用して集客が上手くいったとしてもQSCがダメならお客様は定着しません。むしろ反対に悪い印象を与えてしまい悪評が広まったりする可能性もありますから、非常に重要です。
このQSCを以下のようなイメージで店舗で自己評価します。
Q(クオリティ)→試食会を実施して提供時間や味をチェックして評価する
S(サービス)→お客様の来店から退店までのサービスをチェックして評価する
C(クリンリネス)→お店の内外、スタッフの服装などをチェックして評価する
そして、飲食店側の自己評価だけではなくお客様の目線を取り入れた方が絶対にQSCレベルは高くなりますので、アンケートや覆面調査(ミステリーショッパー)などを実施してお客様からも評価してもらいましょう。
ちなみに私たちが提供している会員証アプリでは、アプリ会員様にアンケートを実施できる機能があり集計したアンケートデータをQSC評価に活用することが出来ます。
アンケートに答えると特典があるなどの販促にも活用できますので、たくさんのアンケートデータを無理なく集めることができます。
さらに、「アプリ会員様=リピーター様」ですから、この客層の声は非常に大事なものです。
会員証アプリを導入すれば、濃い内容のアンケートデータを低コストで大量に集めることが可能になります。
例えば私たちが提供している会員証アプリを利用している居酒屋チェーン店「日本酒原価酒蔵」様では、毎月100件のアンケートを獲得することに成功しています。
紙のアンケートや覆面調査の費用対効果にお悩みであれば是非ご相談ください。
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以上のように、店舗自身とお客様の両輪で評価していくことが重要です。
QSCレベルを常に高い状態に維持しておくためにQSCチェックは毎月行うことをオススメします。
そのためにも手軽にQSC分析が出来る会員証アプリの導入をどうぞご検討ください。
管理能力
そして、最後の評価は店舗管理者の管理能力です。
売上・リピート率・利益・QSC・販促・スタッフマネージメント・金銭管理などの部分を評価します。
評価内容を給与や人事に反映させる
さて、ここまでで評価する方法が決まりましたので、今度はこの評価内容をどのように給与や人事に反映させていくのかを決定します。
売上・利益などを数値データで評価できるものは、達成率に対してインセンティブを付与するなどの方法が良いでしょう。
一方で、個人のスキルやQSCなどの場合は〇・△・×などで評価します。
スタッフ自身と店舗管理者の両方で評価して、その結果を話し合い最終評価を下します。
そして、その評価に対してインセンティブを付与したり、人事に反映させる場合は「〇〇ができること」など条件を明確にして成長を促す、などの反映方法がオススメです。
また、全てを同じように反映させるのではなく、あなたが経営する飲食店で重要視している項目に評価の重きを置くと、社内全体に企業理念が浸透しやすくなります。
評価制度を運用する
評価する項目・評価シート・評価の反映方法ができたら、その評価制度いよいよ運用します。
評価制度を共有する
まず大事になるのが評価制度についてスタッフにも共有することです。
共有することでスタッフ全体に「このように成長してほしい!」ということを伝える意味があります。
スタッフ側も「どのような行動を取れば評価されて、給与がUPするのか?」がはっきりと分かっていれば自ずと高評価を目指して行動してくれるようになります。
スタッフにも自己評価させる
次に、大事になるのが先述しましたがスタッフ自身にも自己評価をさせることです。
自身の行動が「理想とする姿」になってきているのかを把握させる良い機会になります。
評価内容を話し合う
そして、スタッフの自己評価と管理者の評価のすり合わせを行います。
例えば『実際よりもスタッフの自己評価が高い』というのがよくあるパターンですが、数値データやお客様の声に基づいた評価を行っているわけですから説得力があります。
評価をすり合わせることでスタッフを𠮟るのではなく、より良い行動ができるように導いてあげることができるのです。
また、話し合うのはスタッフとだけではありません。
評価する管理者同士も話し合うことで、企業全体の評価が一定のものとなり公平性がでます。
評価の甘い店長と厳しい店長がいる状態ですと、スタッフが不満を持つようになり成長の妨げになったり、離職のきっかけになってしまいます。
管理者間で「評価制度に沿っているか?」をすり合わせることによって企業全体の成長に繋がりますので、店長会議などしっかりと話し合う機会を作ることをオススメします。
評価制度を改善する
過去の記事でも解説しましたが、評価制度を改善することも大切です。
長く運用していくことで、その時代の変化や経営状況に合わせて評価制度を改善させる必要があることもあります。
例えば、新型コロナウィルスが出た後は「Q・S・C」の項目の中でCのクリンリネスがかなり重要視されるように変化しました。
このように必要があれば改善するようにしましょう。
おまけ|人事評価と給与に関するアンケート調査データを紹介
前章で、評価制度を運用していく上で『評価制度を共有し話し合うことが大切』とお伝えしました。
それを裏付ける興味深いアンケート調査データがあったので最後に少し紹介します。
調査したのは、AIを活用した人事評価クラウドで人事領域のDXをサポートする株式会社あしたのチームさんです。
引用元の公式サイト:https://chosa.itmedia.co.jp/categories/career/108360
【調査概要】
1. 調査の方法:インターネット調査
2. 調査対象者:全国の従業員数5名以上300名未満で人事評価制度を導入している企業に勤める20~59歳男女
3. 有効回答数:300名
4. 調査実施日:2021年2月19日(金)
こちらは2021年2月に実施した調査で飲食店に特化したものではありませんが大変興味深い内容です。
自社の給与額決定方法が適切だと思わないスタッフは全体の54.4%と過半数になっています。
↓
【Q】自社の給与額決定方法が適切だと思うか
・そう思う:11.3%
・ややそう思う:34.3%
・あまりそう思わない:39.7%
・そう思わない:14.7%
さらに、給与額決定方法が適切だと思わない理由TOP3以下でした。
↓
1位「給与額の決め方が不透明だから」46.6%
2位「個人の成果や貢献度が給与に反映されないから」46.0%
3位「なぜその金額なのか説明されないから」36.8%。
以上のように、スタッフの多くが給与額決定方法に不満を持っている・・・といったデータとなっていました。
このような不満を解消するためには、評価項目・基準が明確なしっかりした評価制度を作って、評価内容を話し合う体制を作ることが重要です。
そして、しっかりした評価制度を作りにはデータを活用することも大事になります。
リピート率・QSCなどのデータが取れる会員証アプリの導入も是非ご検討ください。
運用のご相談、資料請求、お見積りなど、まずはお気軽にお問合せください。
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それでは今回は以上です。
あなたの飲食店経営のお役に少しでも立つ部分があれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。