飲食店が顧客データを管理するメリットと具体策

顧客管理をご存知ですか?
様々な業界で行われている顧客管理ですが、飲食店でまだ顧客管理をやっていないというお店は意外と多いと思います。

しかし飲食店にとって、顧客管理はとても大切です。
今回は顧客管理のメリットや、活かし方をご紹介します。
まだ顧客管理を行っていない方も、顧客管理をしてるけど活かし方がわからないという飲食店の方も、是非ご一読ください!

 

1. 顧客管理って?

1.顧客管理って?
お客様の情報や、来店履歴などを管理することを顧客管理と言います。
これは飲食店だけでなく、様々な業界で行われています。

ニーズが多様化してきている最近では、顧客のニーズをきちんと把握し、一人ひとりに合わせたサービスを提供する必要があります。
その為にとても重要なのが、顧客情報です。
この顧客情報をきちんと管理することで、様々な面で活かすことができます。

 


1-1. 飲食店に大切な顧客管理

飲食店にとっての顧客管理は、お店の財産と言われるほど大切なもの。
お店に来てくれたお客様の情報を記録し、次に活かすためにとても役に立ちます。

どんなお客様が来店していて、何に満足してくれているのか?何に満足しなかったのか?を知るためにも、とても大切になります。
それを知っておくことで、お客様に喜ばれるサービスを提供することが可能です。

 

 

2.顧客管理を行うメリット

2.顧客管理を行うメリット
では、実際にどんなメリットがあるのでしょうか?
いくつかご紹介していきます。

 


2-1.お店の問題点や課題が見えてくる!

お客様の情報というのは、飲食店の良いところも、悪いところも見せてくれます。

例えば、最近働いている女性のお客様の来店が多いな…などと感じることってありませんか?
顧客管理をしていれば、感覚だけでなく、数字として見ることが出来るので確信が持てます。
では、何故働いている女性のお客様が多いのか?

・新しいメニューが女性客に人気
・店内の配置や内装を変えた

このように要因を考えることができます。

逆もあり、最近リピーターの方の来店が少ないな…ということが見えてきたとします。
何故リピーターの来店が少ないのか?

・リピーターへの集客戦略ができていない
・メニューがマンネリ化している
・競合店が近くにオープンした

など、原因を探ることができます。

お店の問題点や課題を知ることができれば、それに合わせた解決策を考えることができますよね。
お客様の情報は、ご自分のお店の現状を知ることができる、お店の鏡とも言えます。

 


2-2.お客様の満足度を上げられる!

顧客管理をして、きちんと顧客情報が頭に入っていれば、そのお客様に合わせたサービスを提供することが出来ます。
明日予約が入っている○○様は、エビが好きだから仕入れておこう!など、飲食店の規模にもよりますが、個別にサービスができます。

大きな規模の飲食店でも、上記で出たように女性のお客様が多いと分かれば、大人の女性が満足できる女子会プランを新しく作ろう!というように、新しいサービスを考えることもできます。

情報をうまく使うことができれば、お客様の満足度を上げることも可能です。

 


2-3.売上がUPする!

上記のような顧客情報を使い、お客様の満足度を上げることが出来れば、自然とリピート率も上げることが出来ますし、売上も上がりますよね。

また、誕生日に合わせてダイレクトメッセージを送り、来店のきっかけを作ることもできます。
お店でのイベントやキャンペーンなども、好みに合わせた内容を打ち出し、ターゲットとする顧客にダイレクトで知らせることが可能です。

クーポンサイトやグルメサイトでの打ち出しも重要ですが、探しているお客様にしか届かないので、顧客にきちんと届けることができません。
顧客に確実に届けるためには、取得した情報を活かすことが必要です。

 


2-4.スタッフ間の情報共有の効率化

顧客情報は、店長などだけが把握しておけば良いのではなく、出来るだけお店のスタッフ全員が把握しておいた方が良いです。

常連のお客様の顔や名前がわかって、好みや話題なども他のスタッフが知っていれば、お客様に喜ばれます。
また、店長などが対応できなくても、他のスタッフが対応できれば、お客様も不満に思うことはありません。

また、スタッフが情報を把握しておくことで、今日来店されるお客様の中に誕生日の方がいるから、サプライズの演出をどうするか?など、事前に準備することができます。

 


2-5.予約管理やキャンセルの防止に繋がる

顧客管理がきちんと出来ていれば、一度来店したお客様の情報を、予約の時に何度も確認する手間が省けます。
また、お客様に「いつもありがとうございます。」と一言つけるだけで、印象は良くなりますよね。

飲食業界で大きな問題となっている、無断キャンセルなども防ぐことが可能です。
予約の事前確認を行ったり、一度無断でキャンセルした方の情報を入れておけば、次回は断ったり、前金で対応したりなども出来ます。

 

 

3. 顧客管理はどうやって作る?

3.顧客管理はどうやって作る?
では、どのように顧客管理を作成するのでしょうか?

 


3-1.お客様の情報を取得する

まずは、お客様の情報を取得することが必要になります。

予約の際にお名前や電話番号などは取得できます。
また、来店した際に注文したメニューなども記録しておくと良いです。

アンケートを用意しているお店であれば、そこからお客様の情報を取得することができます。
アンケートは満足度や、どこに満足したかなども知ることができるので、次に活かすことができます。

 


3-2.顧客管理システムを導入する

最近では、顧客管理システムを導入している飲食店も多いです。
規模が大きい飲食店では、顧客の数も多いため、ノートやエクセルなどでは、探すことが大変です。
莫大な量の情報を管理でき、色々な視点でグラフを作り比較することも可能です。

顧客管理システムの導入にはお金がかかりますが、とても役立つ機能があるので、飲食店の規模に合わせて、顧客管理システムの導入を考えても良いと思います。

 


3-3.手軽に始める!ノートやエクセルでの管理方法

顧客管理システムを導入しなくても、顧客管理用のノートを作って管理するのも良いです。
小さい規模の飲食店などは、この方が多いと思います。

注意したいのは必ず、専用のノートを作成することです。
他の情報も一緒になってしまうと、管理が大変です。

また、顧客情報に電話番号などを記入したり、個人情報が記載されていると、きちんと管理しなくてはいけませんから、その点も注意しましょう。

ノートの他にも、エクセルなどのファイルを使って管理する飲食店も多いと思います。
ノートに比べると、管理しやすい面もあります。

 

 

4. 顧客管理をどう活かす?

4.顧客管理をどう活かす?
顧客管理を作成したものの、どう活かして良いのかわからないという飲食店も多いのではないでしょうか?

顧客管理の見方から、活かし方までをご紹介します。

 


4-1.データの分析とその読み解き方

顧客管理には様々な顧客情報があります。
どこをどう見るのか?がとても大切です。

 

4-1-1.客層を見る

まずは、客層を把握しておくことが大切です。
年齢層や男女比、時間帯や曜日でも客層を把握しておくと良いです。

日頃どんなお客様が、いつ頃来店しているのかを把握します。
ここを知っておくことで、顧客に合わせたサービスの提供が可能です。

 

4-1-2.お客様の好みを知る

客層の把握ができたら、その客層の方がどんなメニューを注文しているのかを知ることも大切です。
お客様の好みを知ることが出来れば、新しいメニューの開発や、イベントやキャンペーンの打ち出し内容に役立てることができます。

 

4-1-3.リピート率

最後にリピートの割合を見ます。
リピートしてくれるお客様が、どんなお客様なのかも大切です。

ご自分のお店を気に入ってくれたのは、どんなお客様なのか?
何に満足して来店してくれたのか?を知ることが大切です。

その逆で、リピーターに繋がらなかったお客様は、どんなお客様なのか?何故リピートに繋がらないのか?どうしたらリピートに繋がるのか?を考えることができます。

飲食店では、リピート率40%が目標とされています。

 


4-2.イベント・キャンペーン設計のヒント

先程も出ましたが、顧客情報をイベントやキャンペーンに活かすことができます。
客層や好みを把握し、それに合わせたイベントやキャンペーンを打ち出せば、来店を促せますし、満足度も上がります。

お客様の好みに合わせているので、満足度が高くなるのは当然ですし、来店の可能性も高いです。

 


4-3.リピーター育成のためのアプローチ方法

情報を取得することで、そのお客様をリピーターにするためのアプローチができます。
好みや客層も把握しているので、お客様に合わせたサービスの提供や、イベントのDMを送ったりなどが可能です。

せっかく取得した情報ですから、次の来店を促すアプローチを行いましょう。

 


4-4. 新規顧客獲得のための戦略

新規顧客の獲得は、飲食店経営の永遠のテーマとも言える課題です。
持続的な経営を目指す上で、常に新しいお客様を迎え入れる取り組みは欠かせません。
そこで、顧客管理データを基にした新規顧客獲得の戦略をご紹介します。

【ターゲット層の明確化】
顧客データからあなたの飲食店のメインターゲット層を分析して、新たに狙っているターゲット層を明確にします。
(例)現在20代の女性が多い店舗であれば、30代男性を新たなターゲットとする etc.

【外部広告の活用】
狙っているターゲット層に合わせてSNS広告や地域紙への広告出稿を検討します。特にInstagramやFacebookはターゲットの年齢や興味を絞り込んで広告を配信することが可能ですので効率の良い集客が期待できます。

【口コミの促進】
現在のリピーター客に対して紹介キャンペーンやレビュー投稿を促す活動をします。良質な口コミは新規客の信頼が得やすくなり集客に繋がります。

【コラボレーションの導入】
あなたのお店と相性が良かったり、狙っているターゲット層の顧客を多く持っていると予想される他の業種や飲食店とのコラボレーションメニューやイベントを開催します。それにより、他店の顧客を自店に呼び込むチャンスを増やすことができます。

【特別なプロモーションの開催】
現在の顧客データを基に反響がありそうな企画(期間限定の新メニュー導入や、初来店割引など)を考えて、新規顧客を呼び込むための特別なプロモーションをします。

【データをフィードバックに活用】
新規顧客が実際に来店した際のデータもしっかりとキャッチするようして「どのキャンペーンや広告が効果的だったのか?」というデータを基に次回の戦略を練り直すことが大切です。

飲食店経営では、新規顧客獲得のための取り組みが常に求められます。
しかし、その取り組みの中でも、顧客データを有効に活用することで、より効果的な戦略を組み立てることができるでしょう。

 

 

5. 問題点や課題の改善例

5.問題点や課題の改善例
顧客管理は飲食店の問題点や課題を知るためにも役立ちます。
ここでは、顧客管理で問題点や課題が判明した場合の改善例をご紹介します。

 


5-1.女性客の来店低下にどう対応する?

飲食店のターゲット層のメインを女性としているのに、女性の来店が減っている…。
女性も男性もターゲットだけど、女性の来店が減っていることで、売上が下がっている…。
など、ターゲットとしている客層が減っている場合の改善例をご紹介します。

特に最近の飲食業界では、女性客の市場が伸びているので、女性客の来店が減っているのは大きな課題と言えます。

女性客の中でも年齢層に分けて考えます。
年配の女性客に和食ランチが人気だけど、バラエティが少ないという場合には、新しくメニューに追加することを検討するのも良いです。

また、子育ても終え、働いていない年配の主婦の方向けに、カフェメニューを充実させるのも良いでしょう。
そういった方は、お友達との来店も多いので、お客様を連れて来てくれる可能性も高いです。

20代の女性客であれば、デザートを充実させたり、SNS映えのメニューを検討するのも良いです。
女性客は視覚で訴えるのも効果的です。

また、20代の女性客でも、学生なのか、働いている女性客なのかで、改善策を変更するのも良いです。
働いている女性客に仕事帰りに利用してほしいのであれば、ディナーメニューに女性客に人気のあるメニューを充実させたり、女性客だけの割引や女子会プランなども良いです。

 


5-2.リピート率が低下している場合

飲食店では、新規のお客様だけでなく、いかにリピートしてもらえるかが大切です。
しかし顧客管理をしていて、リピート率が低下しているとわかれば、すぐに改善策に取り組みましょう。

一度来店してくれたお客様に、もう一度行こうと思ってもらえるには、味やメニュー、接客や店内環境が大切ですが、お客様にもう一度来店するきっかけをこちらから作ることも大切です。

初めて来店したお客様に、次回使えるクーポン券やポイントカードなどの配布で、きっかけを作ることができます。
常連のお客様の来店が減っている場合には、お客様の好きな食材を使った期間限定メニューなどをDMで知らせることも効果的です。
これは小さい規模の飲食店では可能ですが、大きい規模の飲食店では、旬の食材などを使って多くの常連の方に向けてDMで知らせると良いです。

 


5-3.平日の来店が減っている場合

平日の来店には、ターゲット層を明確にし、平日に来店する意味を作ることが必要です。
人気メニューや看板メニューを、平日だけの限定価格で提供したり、ハッピーアワーを行っている飲食店も多いですよね。

平日の来店が減っている場合の解決策をこの記事でまとめているので、是非ご覧下さい。

 


5-4. 季節やトレンドに合わせたデータ活用の例

飲食店経営において、季節や流行のトレンドは非常に影響を受けやすい要素です。
そのため、季節やトレンドを意識したメニューやサービスを提供することで、顧客の来店動機を増やすことが可能です。
では、実際にどのようにデータを活用してこれを実現するか、具体的な例をご紹介します。

【季節の食材を活かしたメニュー提案】
顧客データから、過去の同じ季節にどのようなメニューが好評だったのかを分析します。
例えば、夏には冷たいデザートや冷麺、冬には温かい鍋料理など、季節感を活かしたメニューが人気です。

【トレンド食材の取り入れ】
SNSなどで話題の食材や料理をデータとして収集し、それを取り入れたメニューを企画します。
例えば、過去にはアボカドやタピオカがブームとなりました。

【季節のイベントとの連動】
クリスマスやハロウィン、バレンタインなど、季節のイベントに合わせた特別メニューやキャンペーンを実施します。
データを参考に、過去の同様のイベント時の売上や来店者数を分析し、改善策を考えるとより効果的なイベントに成長していくでしょう。

【季節限定のサービス提供】
顧客データから、季節ごとの来店動機や要望を分析します。
(例)暑い夏には店内でのクールダウンスペース提供や、寒い冬には暖房を強化するなどのサービスを考える etc.

【トレンドを取り入れた店内装飾】
SNSでのシェアを意識した、季節やトレンドに合わせた店内装飾の実施します。
(例)桜の季節には桜の装飾、クリスマスにはクリスマスツリーを設置する etc.

飲食店経営において、季節やトレンドを意識した取り組みは欠かせません。
顧客データを活用して、過去の成功例や失敗例をもとに、より効果的な季節・トレンド対策を考えることが大切です。

 

いかがでしたか?
飲食店にとっては、顧客管理はとても大切です。
まだ顧客管理をしていない飲食店も多いと思いますが、顧客管理にはたくさんのメリットがあります。

是非、顧客管理を行い、集客や顧客満足度の向上に活かしてくださいね!

この記事を書いた人
アクティブ・メディア株式会社 飲食店サポート事務局
店舗公式アプリ作成サービスを通じて飲食店の顧客台帳経営と販促をサポート。 その内容が「Withコロナ時代の即戦力アプリ」、「最も飲食店経営に寄り添ったサービス」として農水省後援の外食産業貢献賞を受賞する等、飲食業界や公的機関から高く評価。 このコラムでは3,000店以上のサポート実績から得た独自ノウハウや事例を公開する等、飲食店経営に役立つ情報を発信している。