飲食店のロイヤルカスタマー育成を徹底解説

この記事を書いた人
アクティブ・メディア株式会社 飲食店サポート事務局
店舗公式アプリ作成サービスを通じて飲食店の顧客台帳経営と販促をサポート。 その内容が「Withコロナ時代の即戦力アプリ」、「最も飲食店経営に寄り添ったサービス」として農水省後援の外食産業貢献賞を受賞する等、飲食業界や公的機関から高く評価。 このコラムでは3,000店以上のサポート実績から得た独自ノウハウや事例を公開する等、飲食店経営に役立つ情報を発信している。

飲食店にとって最も重要な顧客であるロイヤルカスタマー。

「なぜ、ロイヤルカスタマーは重要なのか?」

「どうすれば新規客がロイヤルカスタマーに育って増えるのか?」

など、私たちがサポートする実際の飲食店で実施している具体的な事例や、独自に行ったお客様へのアンケート調査結果などを交えて徹底解説します。

 

ロイヤルカスタマーとは

ロイヤルカスタマーとは「特定の企業や店舗に対して、特別な愛着や信頼を持ってくれるお客様」のことを指します。

大勢の顧客の中で、最も重要な存在だと言えます。

最も重要だというと「たくさん来店してくれて多くのお金を使ってくれるお客様」をイメージするかもしれませんが実は違います。
ロイヤルカスタマーとは以下のような特徴も有するお客様のことを指します。

・ライバル飲食店に見向きもしない

・自分のお店を好んで繰り返し利用してくれる

・第三者に勧めてくれる

以上のように、ロイヤルカスタマーとは英語ではloyal customerと表記し、日本語に直訳すると「忠実な顧客」とも訳せます。そのため「来店頻度と売上構成比が高い」だけではなく、ライバル飲食店ができたり誘いがあっても見向きもせず、店舗やメニューなどを心から愛して信頼しており、それを自主的に宣伝してくれるという特徴があります。

 


ロイヤルカスタマー≠優良顧客

過去にはロイヤルカスタマーの指標は「来店頻度と売上構成比が高いこと」や「LTV(Life Time Value=顧客生涯価値)が高いこと」だと考えられてきたこともあります。

しかし、その指標だけでは不十分だというのが現在の考え方です。

例えば、来店頻度と売上構成比が高い顧客の中には、「近くに飲食店が存在しない」とか「価格が一番安いから」などの理由で、満足度が高くない状態でも店舗を利用し続ける顧客も存在します。
このような顧客は、もちろん優良顧客ではあるのですが「近所に飲食店ができた」とか「ライバル店が割引クーポンを発行した」などの場合、他の飲食店に流れて行ってしまう可能性も高いでしょう。

ロイヤルカスタマーの真の指標になるのは、「来店頻度と売上構成比が高いこと」や「LTV(Life Time Value=顧客生涯価値)が高いこと」とプラスして、「忠誠心」「愛情」「第三者への宣伝」などの部分を同時に図る必要があります。

 

ロイヤルカスタマーが飲食店にもたらす4つのもの

本章ではロイヤルカスタマーを育成することで飲食店にもたらしてくれる素晴らしい効果を4つ紹介します。

 


1.安定した売上に貢献してくれる

ロイヤルカスタマーの特徴のひとつに「来店頻度と売上構成比が高いこと」ということがあります。

一般的に飲食店の売上構成比の80%をロイヤルカスタマーを含めた常連のお客様が占めていると言われています。
こちらはヴィルフレド・パレートというイタリアの経済学者が生んだ「パレートの法則」とか80対20の法則と呼ばれるもので飲食店に当てはめると「売上の80%は全体の20%ほどの常連客が作っている」ということです。
実際に私たちがサポートしている飲食チェーン店の多くが、この法則に当てはまります。

さらに、ロイヤルカスタマーは「あなたの飲食店への愛着が強く信頼度も高い」という特徴もあるため、他のライバル飲食店に浮気することはしません。
あなたの飲食店を末永く利用してれますので、売上が安定しやすくなります。

このようにロイヤルカスタマーは継続的に飲食店の売上の大半を作ってくれている重要な客層です。そのためロイヤルカスタマーを育てて増やすことは『繁盛する飲食店になる』ということに直結します。

 


2.飲食店の成長を支えてくれる

繰り返しになりますが、ロイヤルカスタマーは「あなたの飲食店への愛着が強く信頼度も高い」という特徴があります。そのため、あなたの飲食店へ愛のある意見をしてくれることも多いでしょう。

メニューを絞る

例えば「もっと○○を改善してほしい」とか「○○のメニューがあったら良いな」など、具体的な意見をしてくれるため飲食店側では思いもよらなかった新しい視点を手に入れることができます。

こうしたロイヤルカスタマーの意見を活用することで既存事業の改善に繋がり、より良い飲食店に成長することができたり、新規事業の立ち上げるなど企業の拡大につながる可能性は大いにあります。

 


3.第三者に宣伝や勧誘をして集客してくれる

ロイヤルカスタマーは、あなたの飲食店を身近な人に勧めてくれたり、口コミサイトに好意的な書き込みをしてくれたり、SNSで拡散してくれるなどの宣伝をしてくれます。

LINE@やメルマガに登録

飲食店などの企業側が発信している宣伝と違い、実際に飲食店を利用したことのある人の意見はこれから同じ飲食店を利用しようと考えてる人にとって非常に参考になるものです。
そして、身近な人の意見はオススメされた人にとっても「あの人がオススメするなら行ってみようかな」と信用される場合が多いので、ロイヤルカスタマーによる宣伝は多大な集客効果を持っています。
さらに、ロイヤルカスタマーの宣伝によって来店した新規客は、そのロイヤルカスタマーと近い性質を持っている可能性が高いため、近い将来その新規客もロイヤルカスタマーに育つ可能性は非常に高いです。

また、ロイヤルカスタマーや優良顧客が別のロイヤルカスタマーからの良質な口コミを見たことで、「私の好きな店は他の人にも人気があるんだな」「ああ、やはり私の判断は間違っていない」と、さらに愛着を深めてくれる効果も期待できます。

 


4.コストパフォーマンスが高い

新型コロナウイルスの発生以降は、多くの飲食店がコストにシビアにならざるを得ません。

新規集客にコストをかけるよりも、ロイヤルカスタマーを育てることにコストをかけた方が圧倒的に飲食店は繁盛しやすくなります。

飲食店が売上をアップさせるために集客に力を入れ始めた時に、新規客・既存客に関わらず全ての客層をターゲットにしてしまいがちです。しかし、それではコストパフォーマンスの面からもオススメできません。新規客の獲得コストは既存顧客を維持するためのコストと比較すると約5倍かかるという法則があります。(1:5の法則と呼ばれるものです)
ということで、集客コストが高く売上への貢献度も低い新規客の獲得に力を入れるよりも、既存顧客の維持やロイヤルカスタマーを育てることにコストをかけた方が効率がよくなります。

 

ロイヤルカスタマーを育てる4つのコツ

ここまで紹介したように、ロイヤルカスタマーを育てて増やすことにはたくさんのメリットがあります。
しかし、ロイヤルカスタマーを育てて増やすことは簡単ではなく、様々な工夫が必要になります。

本章では、ロイヤルカスタマーを育てるコツを4つ紹介します。

 


1.特別扱いする仕組みを作る

まず1つの目の施策は、新規や一般のお客様とロイヤルカスタマーを差別化する仕組みを作ることです。

簡単にいうと「ロイヤルカスタマーを特別扱いする」ということです。

例えば、どうすればロイヤルカスタマーになるか明確にし、ロイヤルカスタマーになるとどのような特別扱いを受けることができるのか?などのことを飲食店側だけでなくお客様側にも明確に提示することが大事です。

 

特別扱いする仕組みがないことでロイヤルカスタマーがあなたの飲食店から離れてしまう可能性も高まります。

実際に私たちがお客様に向けて行った「馴染みのお店をリピートしなくなった理由」のアンケート調査では、「自分が大切に扱われていないと感じた」という理由が大半という結果でした。

馴染みのお店をリピートしなくなった理由1位:自分が大切に扱われていないと感じた…45%

2位:値段に不満…23%

3位:引っ越しなど…11%

4位:インターネットで見つけた他の店舗へ…8%

5位:技術に不満…7%

6位:知人などに紹介された他の店舗へ…6%

※調査対象:長期的かつ定期的に利用している店舗があったが何かしらの理由で行かなくなった経験のある男女474人

なぜ、お客様は自分が大切に扱われていない・・・と感じたか?
これは、どういうことかご説明します。

例えばあなたの飲食店のルールとして「お客様のランク制度」があったと仮定します。

ランクは以下の3段階

「初めて利用した新規客」

「何度か利用したことのあるリピート客」

「たくさん利用していたVIP客」

この場合、あなたの飲食店でも「たくさん利用してくれているお客様」はVIPのお客様と認識して、何度か利用したリピート客とは少し違う接客されていると思います。
飲食店側もお客様側も自分が「たくさん利用しているVIP客である」と同じ認識であった場合は「特別扱い」が成功しているのでこの離反理由には該当しません。

しかし実は、お客様は自分のことを飲食店側が思っているよりワンランク上だと思っていることが意外と多いです。
飲食店側にとってまだVIP客ではないとしても、お客様にはその認識はなく、お客様は自分のことをVIP客だと思っていることもあります。
そこで認識のズレや誤解が生じてしまうことによって、そのお客様は「自分が大切に扱われていない」と感じて離反している・・・というわけです。

 

そして、離れる時は特に何も言わずに去っていってしまうケースが大半です。

マーケティング界の世界的権威であるジョン・グッドマンが提唱したグッドマンの法則と呼ばれるものがあります。

グッドマンの法則とは、「不満を感じたお客様の90%程度は店舗に対して何も言わずに離反する」そして「苦情がすぐに解決されたと感じたお客様の70~80%がリピートする」というものです。

ジョン・グッドマンが実施した飲食店から離れてしまったお客様に関するクレーム調査によると、クレーム全体で経営陣の耳まで入るクレームは5%ほど。
現場スタッフで留まるクレームは45%。
残り50%ほどはクレームを言わずに去っていきます。

飲食店を離れる前にクレームを言った人は総数は50%ほどになりますが、全体の95%ほどが経営者であるあなたに何も言わずに去っていきます。

 

ということで、リピートしなくなるお客様の大半は「自分が大切に扱われていないと感じた・・・」という理由であり、そう感じたお客様の内95%が何もクレームを言わずに去っていっている・・・ということが見えてきます。

私たちも、たくさんの飲食店経営者様からご相談を受ける中で、「常連さんは黙っていても来店してくれるから、まずは新規をたくさん呼び込みたいんですよね。」というお声を時々いただきます。

ただ、これは間違いです。
常連さん(ロイヤルカスタマー)は黙っていては、黙って離れてしまいます。

そして、売上に大きく貢献してくれるロイヤルカスタマーが離れていってしまうことは飲食店にとって大きな損失になります。
このような損失を防ぐためにロイヤルカスタマーを特別扱いする仕組みを作ってお客様にも認知してもらいましょう。
そうすることで、お客様のそれぞれの自尊心を満たせて、離反を未然に防ぐことができます。

 


2.定期的にコミュニケーションをとる

そして、2つ目の施策はお客様と定期的にコミュニケーションをとることです。

当然ですが、新規客をロイヤルカスタマーに育てるには何度も店舗を利用してもらう必要があります。
そのために重要になるのはリピート対策で、リピート率をアップさせるにはお客様と定期的にコミュニケーションをとることが大切です。

その理由を説明するために、ここでまた私たちが独自に行った「リピートしない理由」のアンケート調査を紹介します。

リピートしない理由1位「価格に不満」:43.2%

2位「なんとなく」:36.9%

3位「忘れていた」:34.2%

※理由の複数選択可のアンケート調査でした。

上記の結果で、一番注目してほしいのが2位の「なんとなく」と3位の「忘れていた」という理由です。

こちらの理由は「忘れられないよう来店する理由を発信してコミュニケーションをとり続ける」ということで解決することができます。

定期的にコミュニケーションをとることは「忘れていた」を防ぐ役割もありますが、あなたの飲食店に対する好感度をアップさせる効果もあります。
人間はコミュニケーションをとる頻度の高いもの対して愛着や親近感を持つ心理的傾向がありますので非常に有効な手段です。(単純接触効果と呼ばれるものです)

コミュニケーションをとる方法は、アプリのメッセージや、メルマガ、DM、SNSのコメントなどがありますので、積極的に情報発信をしていきましょう。

2.予約管理はどうやってする?

発信する情報の内容は、新メニューの紹介や営業時間なのお知らせなどだけでなく、あなたのメニューに対する『こだわり』や『思い』などを伝えるのがオススメです。
オススメする理由は、先述した「リピートしない理由」のアンケート調査で1位だった「価格に不満」というものを解決できるからです。
先程のアンケート調査の結果から「価格に対する不満が多いなら値下げしよう!」と考えて実際に値下げしたりクーポンを発行しまくるのは価格競争に巻き込まれてしまいますのでオススメできません。
『値段が高い』とお客様に思われているのなら、あなたのメニューに対する『こだわり』や『思い』などをきちん説明して『決して高くない!』ということをしっかりと伝えることが大切です。

その他にも、『ライバル飲食店との違い』を情報発信して差別化を図ったり、『Q&A』などを伝えてお客様の疑問や不安を解消する内容も良いでしょう。

 

以上のように、定期的にコミュニケーションをとることで何度も来店してもらえる可能性が高まり、ロイヤルカスタマーに増やすことに繋がります。

しかし、ロイヤルカスタマーを増やすにはお客様が求める情報を的確に発信しないと逆効果にもなりかねないため注意が必要ですので、それについては事項で詳しく解説します。