飲食店のUSP(独自のウリ)の打ち出し方

あなたは「USP」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
もしかしたら、知っているけど、詳しくはわからない・・・ということもいるかもしれません。

今回は「USP」を上手く利用し、あなたの飲食店経営をスムーズにし、そして集客力をアップする方法を様々な業種の事例を交えながらお伝えしていきます。

 


<この記事の目次>

1.USPとは

2.USPの必要性

3.USPとは何を設定するのか

4.USP事例「食品業界」
 4-1.ドミノピザ(大手宅配ピザ専門店)
 4-2.M&Ms(アメリカのチョコレートブランド)

5.USP事例「美容業界」
 5-1.コカブ(美容室)
 5-2.Luv(ヨガ・ピラティススタジオ)

6.USP事例(その他)
 6-1.ライザップ(トレーニングジム経営)
 6-2.服部樹脂(プラスチック製品製造メーカー)

7.飲食店でのUSPの作り方
 7-1.自分のお店の売りや強みを多くあげる
 7-2.お客様目線で分類する
 7-3.厳選し選択する
 7-4.文章化する

 

 

1.USPとは

まず、USPとは具体的にどのようなものかをお教えします。

最近よく耳にするUSPとは「Unique Selling Point」の頭文字をとったもので、「お店の独自性と売り」であり、つまり「お客様に対して一番アピールできる強み」です。

 

世の中にはたくさんの飲食店があります。
USPとは、他の飲食店と比較するポイントを分かりやすく伝えて差別化することです。

一見、同じような商品に見えたとしても、何かしらの優劣があり、それぞれに独自性を持っているものです。

(例…ウーロン茶)
A:飲みやすいウーロン茶
B:ダイエットに効果のあるウーロン茶
C:本格的なウーロン茶
D:希少価値のある珍しいウーロン茶

上記のように同じような商品でも訴求ポイントが全く異なり、消費者層も異なるでしょう。USPには商品やお店に付加価値を付ける役割もあります。

このように重要となるUSPを発掘し、どのような提案ができるのか、お客様にどんなメリットを感じてもらうのか、事前にはっきりと決めて設定しておくということです。

USPを決めておくとメニューやキャンペーンはもちろん、器や写真の選択、webサイトの作り方などが非常に考えやすくなります。

 

 

2.USPの必要性

当然のことですが、宣伝には言葉が重要です。

しかし、必要ではないこと、集客にはそこまで重要なポイントではないこと・・・を一番前面に出してしまってはお客様があなたの飲食店の良さや特徴に気がつくこともなく終わってしまうかもしれません。

言葉には強い力があります。
本来持っている飲食店の魅力や個性をしっかりとアピールできさえすれば、お客様の心を引き寄せることができるのです。

以下、USPのメリットを2つ紹介します。


覚えてもらいやすくなる

いきなりですが、あなたに一つ質問です。

世界で一番高い山の名前は?

・・・

・・・

・・・

正解は「エベレスト」ですよね。

 

それでは、もう一つ質問です。

世界で二番目に高い山の名前は?

・・・

・・・

・・・

正解は「カラコルム」です。
通称K2と呼ばれる山脈ですが、ご存知でしたか?

多くの人はあまり知らないと思います。

何が言いたいかと申しますと、1位と2位の認知度にはすごい差があるということです。
ということで、あなたの飲食店でも1位であることを宣伝すれば大きな集客効果を生みます。

フィリップ・コトラーという人が提唱したSTP戦略というマーケティングの戦略があります。詳しい説明は省きますが、ざっと申しますと

Segmentation(ニーズを細分化して)

Targeting(ターゲットを絞って)

Positioning(提供するものを考えてから宣伝する)

という感じです。

これを飲食店のお話にすると「1位が取れるまで細分化する」という戦略です。

例えば、あなたの飲食店のサービスのこだわりが

日本で1位はダメでも、神奈川県1位ではどうでしょうか?

神奈川1位はダメでも横浜1位ではどうでしょうか?

横浜1位はダメでも〇〇区の1位ではどうでしょうか?

今の時代、お客様が利用したい飲食店を探す時は、インターネットでの検索です。
ほとんどの場合、地域というキーワードを入れて検索するはずです。

その時に、あなたの飲食店のホームページやGoogleマイビジネスなどに「〇〇なら地域ナンバーワン」と記載されていたらインパクトはかなり大きいですよね。

地域を細分化しても1位を宣伝することは、かなりの効果を発揮します。

いま、時代は細分化を求めています。

この細分化というのは、ここ最近多くのビジネスで行われています。
その理由は、インターネットの普及によってお客様のニーズが多様化したからです。

10~20年ほど前は看板やチラシなどで「あ、そういえばあそこに新しい居酒屋ができたみたいね」という感じで集客できました。逆にターゲットを絞り過ぎると集客しづらかった時代ですね。

しかし、情報で溢れかえっている今は「飲み会で居酒屋を利用したいけど色々ありすぎて決められない…」というのがお客様の本音です。

例えば「飲み会の参加者に女性が多いので、カクテルが多い居酒屋にしたいんだよね~」といった感じでニーズが多様化してきています。

そこで、そのニーズに対して「当店はカクテルの種類が地域ナンバーワンです!」と宣伝するのは非常に有効ですよね。

 


口コミや紹介がされやすくなる

USPをしっかりと発信することで、ピンポイントで顧客の心に響きやすく満足度アップや感動体験に繋がります。
人は感動するとそれを広めたくなる心理がありますので、次第に口コミとして広がっていくのです。

そして顧客のSNSだけでなく、ニュースメディアやブログなどでも紹介されやすくなるという大きなメリットもあります。

 

 

3.USPとは何を設定するのか

一言でいうと「キャッチフレーズ」です。

飲食店にはそれぞれライバル店には負けない強みがあるはずです。
それを集約し、限界まで言葉を削り、文章を作ります。

それは長すぎてはいけません。
ぱっと見ただけで、どんな特徴があり、何が売りで、どのような結果が得られるのか、わかる必要があります。

USPという言葉についてですが、<U>はユニーク(特徴の意)、<S>はセリング(強みの意)、<P>はプロポジション(メリットの意)を表します。

そのUSPへ向けて企画を立て経営をしていくことが目的です。

これから行うべきサービスの形を、自分がつかむためにもお客様へ強烈に伝えるためにも「USP」はあるのです。

 

 

4.USP事例「食品業界」

今回は、一般企業のUSP作成による成功事例をお話ししていきます。
初めに食品業界の成功事例をご紹介します。

 


4-1.ドミノピザ(大手宅配ピザ専門店)

「ドミノピザ」は宅配専門のため、ともかく「熱く、早くお届けする」ということを何よりもアピールする必要がありました。
速さは宅配サービス専門店の命とも言えます。

そこで、特徴<間に合わなければ代金はいただきません>、強み<30分以内でお届けします>、メリット<熱々でジューシーなピザ>というUSPを作成しました。

これはかなり大胆なUSPだと思いますが、これを元にキャッチフレーズを作り、ホームページには「なぜピザがいつもあつあつで届くのか」などの疑問を解決するページを作り、「熱く早い」という売りを強調するサービスを始めました。

結果、お客様達へそのメッセージがダイレクトに伝わり、満足してもらうことができました。
そうしてドミノピザは宅配ピザ業界におけるトップの地位まで上りつめたのです。

 


4-2.M&Ms(アメリカのチョコレートブランド)

USPを始めに作成した会社と言われる、老舗のチョコレートブランドです。
カラフルで「m」という文字が刻印されているのがとても特徴的で、多くの人がすぐに思い浮かぶデザインでしょう。

M&Msは、「お口でとろけて、手にとけない」をキャッチフレーズとしました。

これはUSPによって大成功した好例で、それまでは「チョコレートは美味しいけど手が汚れてしまい気楽に食べられない」ということが大ヒットへのネックでした。
そこで、USPに沿って「砂糖菓子でチョコレートをコーティングする」という方法で手で溶けないチョコレートを開発しました。

これはチョコレートで子供達の手が汚れ服や部屋が汚れることに悩む人たち・・・そう、母親たちの心をしっかりとつかみ、世界中での大ヒットへとつながりました。

 

 

5.USP事例「美容業界」

本章では他業種ですが美容室・サロンのUSP設定による実際の成功事例をご紹介します。

 


5-1.コカブ(美容室)

南青山で経営している美容室です。
USPを作成するまではなかなか集客が増えないという悩みがありました。

そこで「90日間来店不要。南青山〈PHASE〉元店長の成せる技」というキャッチフレーズを掲げました。
すると、競合店の多い地域に出店したにもかかわらず、1ヶ月で400万円以上の売上となりました。

 


5-2.Luv(ヨガ・ピラティススタジオ)

名古屋のヨガとピラティス専門のお店です。

Luvは「60分で驚異のお腹痩せ最大-8cm」というUSPを作成しました。

40代女性のためのお腹痩せ専門という独自性を打ち出し、これをもとにHPやフェイスブックを作成していったところ、Web申し込みが1ヶ月50万円を超えました。

このように、USP作成はサロン運営において集客にとても効果的な方法だといえます。
物的な商品を売るわけではない施術がサービスの要である美容サロンこそ、集客増加という結果へとつながりやすいのです。

 

 

6.USP事例(その他)

今回はさまざまな業種の事例をご紹介します。

 


6-1.ライザップ(トレーニングジム経営)

大手全国展開のトレーニングジムです。
個性的な「ライザップ」の広告は一度見た人は決して忘れないほどの衝撃を与えます。

このジムの広告はかなりインパクトがあり、よくテレビでみる有名人が鍛え上げられた肉体を披露しています。
しかも、鍛え上げられている、というイメージのない人がCMに採用されています。

USPに基づきキャッチフレーズは「結果にコミット!2ヶ月でこの体。ダメなら全額返金」です。

この言葉に集約されているように、宣伝では、鍛えていなかった人の「before」「after」が明確に打ち出されています。
つまり鍛えていない「私」と重ね合わせることができ、挑戦の意欲が湧いてくるようにアプローチしているのです。

結果、会員獲得に大成功し、会員数は増え続けています。

 


6-2.服部樹脂(プラスチック製品製造メーカー)

プラスチック製品の企画、開発、製造まで行う会社です。

USP作成までは、1ヶ月の売上が23000円ということもあり、けして経営状態が良いとは言いにくい状況がつづいていました。
すでに「<プラ鉢をもっとよくしたい>プロジェクト始動」というキャッチフレーズがついていましたがそれが生かされているとは言えない状況でした。

そこでUSPを基にして、「仕入れは100円ショップ以下!売値は相場以上」というキャッチフレーズをつけました。
すると翌年には1ヶ月170万円という売上を叩き出しました。

以上のように、明確なUSPを作成しキャッフレーズを掲げれば、大幅な集客アップの可能性がおおいにあるのです。
そして確かなお店のブランドイメージを作り上げることもできるのです。

 

7.飲食店でのUSPの作り方

では、今回はいよいよ飲食店にあった基本的なUSP作成法をお教えします。

 


7-1.自分のお店の売りや強みを多くあげる

まずはあなたの飲食店の売りを考えられるだけあげてみましょう。
小さなことでもかまいません。

そして独自性はサービス業においてなにより大切ですから、絶対他店とは違う!という部分を売りの中から選び出してみましょう。

飲食店はお客様と接する機会も多いですから、ぜひお客様との会話の間に、なぜ自分のお店を選んでくれたのか、リアルな声を聞かせてもらうのもよいでしょう。

 


7-2.お客様目線で分類する

選び出した独自の売りを、今度はお客様目線で見てみましょう。
すべてをUSPにできるわけではないので厳選する必要がありますね。

お客様はあなたの飲食店を利用するメリットを探しています。
このメリットごとに分類してください。

 

[メリットの例]

・料金と保証
・提供時間と品質
・立地条件、環境
・スタッフの接客レベル

などが主にあげられます。

 


7-3.厳選し選択する

この作業がとても重要です。

<U>(特徴)、<S>(強み)、<P>は(メリット)に合わせて選び出してください。

「作成したら自分の飲食店ですぐに想像できる」ことを意識してください。

 


7-4.文章化する

では、厳選したUSPを文章化していきましょう。
完結に50文字以内が理想的です。

言葉の順序や言い回しはフレーズの印象を左右しますから、スタッフ皆でミーティングしてさまざまな視点で意見を出してもらい決めるのもよいでしょう。

 

 

いかがでしたでしょうか?

「USP」を上手く利用すれば、ターゲットの心をしっかりとつかむことができ、より一層集客力をアップさせることが可能になります。
決してUSP作成はむずかしくないことがおわかりいただけたと思います。

以上お話した方法があなたの飲食店経営のお役に立つことを願っております。

今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。