飲食店|インスタグラムの始め方

多くの人が利用するSNS。その中でも特に人気があるのがインスタグラム(Instagram)です。

近年ではファッション系だけでなく、飲食店でも10~40代の比較的若い世代をターゲットにしてインスタグラムを活用している企業も増えてきています。
しかし、ただやみくもにインスタグラムを始めれば集客に活用できる!というわけではありません。
集客に活用するためには、インスタグラムの特徴を把握して、自分の経営する飲食店の目的やターゲット層に合わせて運営することが必要になります。

ということでこの記事では、飲食店がインスタグラムを始めるために必要な基礎知識として、メリット・デメリット、ユーザー層、ユーザーの目的、などを詳しく紹介します。

「これからインスタグラムを始める!」という飲食店様や、「すでに始めているがどのように運営していくべきか・・・」と迷っている飲食店様は是非ご一読ください。

 

インスタグラムとは?

インスタグラムとはSNSの一種で、主に写真や短い動画などを発信するサービスです。
この写真や短い動画での情報発信というのが、FacebookやTwitterなどの他のSNSと大きく違う点で、視覚的に情報を伝えることができます。

飲食店が始める場合は、実店舗への集客や、飲食店のブランドイメージや認知度をUPさせるため、写真や短い動画から直接商品を販売するため、などを目的として活用されるのが一般的です。

 


主にどんな人がインスタグラムを利用している?

過去に「インスタ映え」という言葉が流行語大賞を受賞するなど、2017年ごろから一気に有名となったインスタグラムですが、現在、日本国内のアクティブユーザー数は3,300万を突破しています。(2019年3月の公式発表より)

Facebookの公式発表によると日本の利用者の男女比率は、男性が43%、女性が57%です。
また、アライドアーキテクツさんが2020年12月に行った調査では、年代別のインスタグラム利用率は以下で、やはり主に10~40代の比較的若い年齢層に利用されているようです。

15~19歳:65%
20代:57.3%
30代:47.8%
40代:40.2%
50代:29.4%

インスタ利用者層

※参照元:アライドアーキテクツ株式会社さん『Twitterユーザーによる企業公式アカウント利用実態調査』(2020年12月16日~12月27日)

 


ユーザーがインスタグラムを利用する目的は?

それでは、10~40代の比較的若い年齢層のユーザーがどのような目的でインスタグラムを利用しているのでしょうか?
興味深いデータがあったので紹介します。

 

【インスタグラムの利用目的】

トレンダーズ株式会社さんが行ったインスタグラムの利用目的に関する調査では、自分がフォローしている人の近況チェックや暇つぶしのためにインスタグラムの投稿を見るするだけでなく、自身の近況報告や思い出を発信するユーザーも多いことが分かります。
そして、インスタグラムで飲食店などのお店のアカウントを見て購買(来店)に繋がる要素として「信頼している人のオススメ」や「世間の高評価」が重要視されています。
(下記画像の緑色の枠)

インスタ利用目的

参照元:トレンダーズ株式会社『YouTube、Twitter、Instagramのユーザーモチベーションを調査/半数近くが「世の中の反応を見る」目的でTwitter検索』2020年9月に15~49歳のSNSユーザー男女800名対象に行った調査

 

つまり、多くの人が「自分の信頼している人(友人・知人・憧れの有名人など)のオススメや高評価を見ると来店したくなる」というわけですから、自分の経営する飲食店の情報を、できるだけ多くの一般ユーザーに投稿してもらうことは集客に役立つことが分かります。

 

【新型コロナウィルス感染症拡大以降のインスタグラムの利用目的】

そして「インスタグラムの投稿が来店に繋がる」のは新型コロナウィルス感染症拡大以降さらに強まったようです。

アライドアーキテクツさんが2020年7月に行った調査によると、新型コロナの影響で外出自粛が求められる中、他のSNSと比較し「買い物情報を調べるためにインスタグラムを使う時間が増えた」と回答した人が多い結果となっています。

コロナ禍

参照元:アライドアーキテクツ株式会社さん『新型コロナウイルス感染症拡大以降の「新しい生活様式」における、消費者のSNS利用実態調査』(2020年7月11日~7月19日)

 

さらに、Facebook社の発表によるとコロナ禍によりインスタグラムでは特にライブ配信の利用が非常に伸びているようです。
確かに小売業界ではライブ配信による通販が増えました。(個人的には飲食業界のインスタグラムアカウントではまだそんなにライブ配信は見かけませんので上手に活用することで先行者利益を得られるかもしれませんね。)

 

【インスタグラム利用者が多い時間帯】

App Ape Lab.さんが発表した2020年6月のデータによると、インスタグラムの利用者が多い時間帯は以下となっています。

インスタ時間帯別

参照元:App Ape Lab.『【2020年最新版】インスタグラム投稿、いいねがもらえるベストな時間帯は?』 濃い赤色であるほどアクティブな時間帯、濃い緑色であるほど非アクティブな時間帯を表す。

 

主に平日は朝7~8時、昼12~13時、16時以降の時間帯に多く利用されているようですね。
丸一日中で見ると利用者が多いピークタイムは夜20~22時頃のようです。

理論的には、このあたりの時間帯に投稿すれば見られる確率は高くなります。
しかし、ライバル店も活動的になる競争率の高い時間帯とも言えますし、あなたの飲食店のターゲットなどにもよって、どの時間帯に投稿した方が良いのかは変わりますので、投稿・分析・改善を繰り替えしてベストな時間帯を探っていくのがオススメです。

 

 

飲食店がインスタグラムを始める4つのメリット

本章では飲食店がインスタグラムを始めるメリットを4つ紹介します。

 


1.インスタグラムは無料から使えて手軽に始められる

まず大前提としてインスタグラムは無料で使うことができます。
上手く活用することで広告費用を一切かけずに、あなたの飲食店の認知度をUPさせるなどのことができます。
集客できる可能性が高いサービスが無料で使えるのですから、飲食店は積極的にインスタグラムを活用していくべきでしょう。

 


2.お客様とコミュニケーションがとれる

インスタグラムは、飲食店側からの一方的な情報発信だけでなく、発信した情報に他のユーザーがコメントをしたり、お客様側が飲食店のサービスや商品などについての写真や動画を投稿することができます。そして、インスタグラムにはダイレクトメッセージを送る機能もついているため、お客様と個別のやりとりもできるなど、双方向のコミュニケーションがとれるサービスになっています。

 


3.ついに地図まで!どんどん便利になる機能

インスタグラムには画像や動画を共有するだけでなく、ショッピング機能など様々な機能が新しく追加されています。
その中で、特に注目したいのが地図機能です。

インスタグラムに「地図検索機能」が追加され始めています。(2021年7月時点では一部のアカウントが対象)

インスタグラムの地図が開くと、自分の位置情報をもとに周辺の飲食店の情報などが、他のユーザーの投稿画像と一緒にチェックすることができます。
自分が信頼しているユーザーや、他のユーザーの評価が高い(画像をシェアしている)かどうかチェックすれば、その場所の詳細やリアルな口コミを簡単に手に入れることができそうです。
さらに、現在地からその目的地(飲食店)までの道順も表示されるようなので、GoogleマップやNAVITIMEなどの他のマップアプリに切り替える必要がありません。

(例:テイクアウトと検索した場合)※Image by: instagram

こちらはGoogleやYahooの地図検索サービスの大きなライバルになりそうですね。

 


4.インスタグラムでリピート対策ができる

これまで飲食店がファンやリピーターを獲得するためには基本的には実際に来店してもらう必要がありました。来店時にサービスや味に感動した方が「また利用したい!」と思ってくれてリピートしてくれ、リピートしてくれているうちにファンに育ってくれるという流れです。

しかし、インスタグラムでは実際に来店してもらわなくても(ある程度の)ファンに育てることが可能です。

前述したようにインスタグラムを利用する多くのユーザーが「自分の信頼している人(友人・知人・憧れの有名人など)のオススメや高評価を見ると来店したくなる」というわけですから、多くの人に情報を拡散してもらうことによって「あなたのお店が気になっている」「機会があったら行ってみたい憧れのお店」などの感情を持つ潜在的なファンを増やすことができます。

そして、その潜在的なファンが実際に来店してくれて、あなたのお店が想像通りだった場合、リピーターやファンになってくれる可能性は高いでしょう。

 

参考までに、アライドアーキテクツさんが2020年8月に行った「インスタグラムのユーザーの購買行動・クチコミ行動/他SNSとの比較」という調査結果を紹介します。

「SNSの情報をきっかけや参考に初めて利用するECサイトで商品を購入したことがある人」の割合は、インスタグラムが60.7%と他のSNSに比べて一番多い。

 

「SNSの情報をきっかけや参考に初めて利用するお店(小売店や飲食店)に実際に足を運んだことがある人」の割合も、インスタグラムが50.5%と他のSNSに比べて一番多い。

 

「購入した商品や利用したお店・EC通販サイトやネットショップについて、SNSに感想を投稿した経験がある人」の割合も、インスタグラムが57.0%と他のSNSに比べて一番多い。

参照元:アライドアーキテクツ株式会社さん『5大SNSユーザーによる「SNSをきっかけとした購買行動・口コミ行動調査結果」』(2020年8月26日~9月2日)

 

これらの結果から、インスタグラムは他のSNSに比較して、口コミを投稿したり、来店するなどのアクションにつながりやすいメディアであることが分かります。
潜在的なファンを増やす意味でも、リピート対策を強化する意味でも、積極的にインスタグラムを活用していきたいですね。

 

 

飲食店がインスタグラムを始める4つのデメリット

前章で紹介したいようにインスタグラムを始めるメリットはたくさんありますが、その一方でデメリットもあります。
ということで、本章では飲食店がインスタグラムを始めるデメリットを5つ紹介します。

 


1.宣伝やビジネス色が強いと敬遠される・フォロワーが増えにくい

飲食店がインスタグラムを始めるにあたって知っておいていただきデメリットは『ビジネスアカウントは敬遠されやすい』ということです。

インスタグラムのユーザーは「素敵な写真や動画をみたい」という目的や、「個人対個人の繋がり」を目的にしている場合が多く、宣伝などの売り込み色のある投稿は好まれない傾向にあります。
インスタグラムのユーザーの利用目的や好みを把握した上で、どのような投稿をするのかを考えることが大事です。

 


2.写真やハッシュタグなどのテクニック・知識が必要

インスタグラムは写真や動画をメインとしたSNSです。
そのため、ユーザーの目を惹くような高品質な写真・独自性のある写真・刺激的な写真などを撮影して投稿するテクニックが必要があります。

さらに、投稿にハッシュタグを付けて他のユーザーに発見してもらいやすいようにしますが、どのようなハッシュタグが注目されやすいのか?などを調べる知識も必要になります。

多忙を極める飲食店では、通常業務をしながら写真やハッシュタグの勉強をして、高品質な投稿をし続けるのはかなりハードルが高いでしょう。

 


3.他のSNSやホームページへの誘導がしにくい

インスタグラムは、ユーザーが他のインターネットサービスに流出しづらいような仕様になっています。

インスタグラムという1つのサービスの中で『メッセージのやり取り』ができて、『買い物』ができて、『地図でお店が探せて道順が表示される』など、ユーザーを流出させないように機能をどんどんバージョンアップをさせています。

飲食店が運営するインスタグラムのビジネスアカウントで、自社の公式ホームページやその他のSNSなどインスタグラム以外のインターネットサービスにお客様をご案内できる場所は「プロフィール画面だけ」です。

インスタグラムリンクURL

他のSNSやインターネットサービスと連携させて相互強化したい場合は、インスタグラムは少し不便であると言えます。

 


4.マメな運用が必須

インスタグラムの投稿は時間が経つと埋もれてしまうため、できれば一日に何回も頻繁に投稿することが大切です。

そして、他のユーザーとのコミュニケーションが大事になりますので、あなたの投稿に「いいね」や「コメント」をしてくれたユーザーにリアクションを取ったり、フォロワーの投稿に「いいね」や「コメント」をしたり、あなたのフォロワーになってくれそうなユーザーを「フォロー」したり、投稿に「いいね」や「コメント」をするなど、あなたからも積極的にコミュニケーションを取り行くことも大切です。

このようにインスタグラムの集客効果をUPさせるためには、マメな運用が必須です。
多忙を極める飲食店では、通常業務をしながらマメな運用し続けるのは、かなりハードルが高いでしょう。

 

 


いかがでしたでしょうか?

インスタグラムはユーザー数が多く、ユーザーはインスタグラムの投稿をきっかけにして来店することも多いようなので、飲食店の集客に活用できる優れたサービスと言えます。
さらに無料から始めることができるので、飲食店はインスタグラムを始めて、積極的に活用することをお勧めします。

しかし、インスタグラムを活用して集客効果をUPさせるには知識・テクニック・マメな運用が必須になりますので、可能であれば専任スタッフを用意してから始めるのが良いと思います。

 

それでは今回は以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

この記事を書いた人
アクティブ・メディア株式会社 飲食店サポート事務局
店舗公式アプリ作成サービスを通じて飲食店の顧客台帳経営と販促をサポート。 その内容が「Withコロナ時代の即戦力アプリ」、「最も飲食店経営に寄り添ったサービス」として農水省後援の外食産業貢献賞を受賞する等、飲食業界や公的機関から高く評価。 このコラムでは3,000店以上のサポート実績から得た独自ノウハウや事例を公開する等、飲食店経営に役立つ情報を発信している。