STP分析で飲食店のブランド力をUP!
飲食店経営者にとって、マーケティング戦略の立案が悩みの種ですが、STP分析を知っていますか?
本記事では、STP分析の意味や飲食店でのメリット、実施方法から具体例や業界事例まで詳しく解説します。さらに、データ活用を効率よく行える会員証アプリも紹介。
この記事を読むことで、効果的なマーケティング戦略を立案し、競合に優位に立つ方法を学べます。ぜひ参考にしていただき、飲食店経営の成功を目指しましょう。
目次
STP分析とは
飲食店経営者にとって効果的な集客を行うためには、STP分析というマーケティング手法を活用することが重要です。
STP分析は「セグメンテーション」、「ターゲティング」、「ポジショニング」の3つのステップから構成され、市場を細分化しターゲットを絞り込むことで、自社の市場でのポジションを明確にします。
STP分析の流れは、まず「セグメンテーション」では市場を細分化し、共通の属性やニーズを持つグループに分けます。国や都道府県、年齢や性別、ライフスタイルなどが考慮される要素です。
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次に、「ターゲティング」で狙う市場を決め、効果的に商品やサービスを提供する対象を絞り込みます。
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最後に、「ポジショニング」では、選択したターゲットグループに対して自社の商品やサービスの特徴や利点を伝え、競合との差別化を図ります。この際、ユーザー目線で商品やサービスを考えることが重要です。
STP分析を実施することで、顧客のニーズや行動パターンを理解し、魅力的な商品やサービスを提供できます。これにより効果的なマーケティング施策が立案でき、結果的に企業の収益性や市場シェアの向上につながります。
特に飲食店にとってSTP分析は重要で、導入することで様々な面から自社の状況を把握でき、集客や利益率のUPなどに役立てることができます。
飲食店でSTP分析を行うメリット
飲食店経営者にとって、STP分析は効果的な経営戦略を実施するために不可欠な手法です。飲食店でSTP分析を行うと、以下のようなメリットが得られます。
【顧客やニーズを分析できる】
STP分析を行うことで、ターゲットとなる顧客やそのニーズを整理できます。
これにより、飲食店を利用してくれる顧客をより具体的にイメージしやすくなります。
【自社商品の強みが分かる】
ターゲット顧客のニーズが明確になることで、自社の強みやアピールポイントも見えてきます。
これにより、効率的に顧客を増やすことができます。
【競合他社からの差別化が図れる】
STP分析を行うことで、自社の商品の強みを明確化し、無駄な競争を回避できます。
また、競合他社の分析もできるため、自社が勝てる戦略が見えてきます。
【広告戦略の考察が可能】
ターゲット顧客が明確になることで、どのような広告戦略が効果的かを考えることができます。
ターゲットが共感する内容や方法を具体的に突き詰めることができます。
【差別化戦略の考察ができる】
STP分析により競合のポジショニングを明確にすることで、ターゲットから選ばれるための差別化戦略を考えることができます。
以上のように、STP分析を活用することで飲食店経営者は効果的なマーケティング施策を立案し、収益性や市場シェアの向上に繋げることができます。
STP分析の実施方法
STP分析で成果を上げるためには、やり方をしっかり理解しておく必要があります。
ここでは主に飲食店でのSTP分析のやり方について解説しますので参考にしていただければと思います。
1.セグメンテーション
飲食店におけるSTP分析の一つ目のステップであるセグメンテーションでは、市場を細分化し、顧客やニーズを分類します。この市場細分化は、主に以下の4つの指標を用いて行われます。
【地理的変数】
地域や国、都道府県などの立地要素を考慮し、気候やライフスタイル、文化などが異なる地域を分類します。
これにより、自社の商品を提供する最適なエリアを特定できます。
【人口動態変数】
年齢、性別、職業、家族構成、所得水準などの人口統計データを基に分類します。
これにより、どの年齢層や職業の人に商品やサービスが重要視され、愛用されているかを把握できます。
【心理的変数】
顧客のライフスタイル、性格、趣味、価値観などの好みを分析します。
内面的な情報であるため、アンケートを通じて調査を行うことが効果的です。これはターゲティングの材料となります。
【行動変数】
顧客の購買状況や製品に対する知識、興味の度合いなど、消費者の行動を分析します。
例えば、ポイントカードの利用履歴や購入頻度などをもとに分類します。
以上のようなイメージでセグメンテーションを行うことで、顧客を細分化したグループに分けることができます。そして、それぞれのグループに対してニーズや価値提案が明確になり、経営戦略を立てる際に非常に役立ちます。
これらの指標を活用して、飲食店経営者が理解しやすいように市場を細分化し、後述するようなイメージで効果的なターゲッティングとポジショニング戦略を考えていくことが重要です。
2.ターゲティング
次に解説するのは飲食店のSTP分析におけるターゲティングについてです。
ターゲティングとは、市場からターゲットになる顧客層を絞り込む工程であり、3つの手法に分類できます。それぞれの手法には特徴と戦略的な考慮点があります。
【無差別型ターゲティング】
無差別型は、顧客セグメント間の違いに関係なく共通の商品・サービスを提供する方法で、不特定多数の顧客にアプローチします。
大手企業や食料品業界で多く採用されていますが、最近では顧客ニーズが多様化しているため収益につなげるのが難しい面もあります。
【差別型ターゲティング】
差別型では、複数の顧客セグメントをターゲットにし、それぞれに対して異なる商品・サービスを提供する方法です。
リスク分散と資金投資のバランスが良い戦略として、多くの企業が選びます。
ただし、顧客ニーズに合わせたアプローチができる一方で、顧客セグメントごとに対応する必要があるため、手間とコストがかかります。
【集中型ターゲティング】
集中型では、1つの顧客セグメントに集中して商品・サービスを提供・投下していく方法です。
その顧客セグメントに集中することで強力なブランドを確立しやすくなりますが、顧客獲得に失敗した場合の経営リスクが大きくなります。
ターゲティングを行う際には、市場規模や成長性、競合の存在や自社の優位性、商品やサービス戦略との整合性を見極めることが重要です。
また、複数の顧客セグメントをターゲットとするか、単一の顧客セグメントをターゲットとするかも戦略的に検討する必要があります。
飲食店経営者は、これらのポイントを踏まえて、自社に適したターゲティング戦略を選択しましょう。
3.ポジショニング
飲食店におけるポジショニングとは、市場における自社の立ち位置を決定するプロセスです。
競合他社が存在するターゲットセグメントにおいて、自社の商品やサービスが選ばれるためには、競合との違いや優位性を明確に打ち出すことが重要です。
ポジショニングの手順は以下の通りです。
【競合との提供価値を比較する基準を決める】
例えば「価格」「品質」「スピード」「希少性」「安全性」などが考えられます。
【競合のポジションを明確化】
基準となる要素を縦軸と横軸に設定したポジショニングマップを作成し、競合他社との関係性を明確化します。
【自社のポジショニングを決定】
市場にまだ提供者がいない新しい価値を見つけ出し、自社の強みを考慮しながら競合のいないポジションに自社を配置します。
ポジショニングの基準には、商品の属性、商品提供によるベネフィット、商品の使用機会、競合との関係性、競合との距離、商品の種類別などがあります。これらの基準を複数組み合わせて利用することがあります。例えば、競合との提供価値を比較する基準を「価格」にしたとして日本最安価格ではなかったとしても近隣の競合よりも安く提供できる場合は『地域最安』などのポジションを獲得できます。
ポジショニングマップを作成し、競合店と差別化できる要因を特定することで、競合店と比べて優位性のあるポジションを導き出すことができます。これにより、ターゲットから見た競合との差別化ポイントを明確にし、自社に興味を持った顧客が集まるようになります。
飲食店におけるSTP分析の具体例
ここまで飲食店におけるSTP分析の実施方法について解説してきましたが、本章の最後に具体例をご紹介します。
【セグメンテーション】
あなたの飲食店に来店するお客様を属性やニーズに基づいてグループ分けをしましょう。
例えば以下のようなグループに分けられるとします。
(例)
職業 :サラリーマン、OL、学生、観光客
年齢性別:20~50代の男女
ニーズ :スピード重視、グルメ志向、コスパ重視 etc.
【ターゲティング】
セグメンテーションしたグループの中から、最も効果的なターゲットを選出しましょう。
選出基準は「客単価が高いから」や「集客しやすいから」など自社の状況に合わせて変えてください。
そして、そのターゲットに合わせた内容の施策を立案します。
(例)
・OLや学生などの若年層には、広告やキャンペーンなどで積極的にSNSを活用する。
・観光客には、多言語対応のメニューを用意する。 etc.
【ポジショニング】
そして、ターゲットに向けた施策が決定したら、さらに競合と差別化することが大事です。
(例)
・スピード重視のニーズを持つ顧客向けに新しいメニューを開発したり、既存メニューの提供スピードを改善する。
・グルメ志向のニーズを持つ顧客向けに、高級食材や地元食材にこだわったメニューを提供して「ここでしか味わえない」をアピールする。 etc.
以上のようなイメージで、飲食店がSTP分析を実施します。
飲食業界でのSTP分析の活用事例
STP分析は、多くの企業が商品やサービスの企画や販売戦略に活用しています。
以下では、飲食店の活用事例を紹介します。
・大手ファーストフードチェーン(例:マクドナルド)
セグメンテーション:価格帯や提供スピード、デリバリーなどのニーズをセグメントとして設定。
ターゲティング:幅広い年齢層を対象とするが、特に30〜40代のファミリー層をターゲットとする。
ポジショニング:安くて気軽にすぐ食べられる商品、提供スピードの速さ、非接触提供(モバイルオーダーやドライブスルー)などで独自のポジションを築く。
・大手コーヒーチェーン(例:スターバックス)
セグメンテーション:年齢グループ、性別、職業、経済的地位、都市の規模などを踏まえたセグメントを設定。
ターゲティング:大都市の経済的余裕のあるオフィスワーカーを対象とし、地域ニーズに応じた出店を行う。
ポジショニング:都会的なおしゃれな雰囲気の店で、高くて美味しいコーヒーを提供するという独自のポジションを築く。
・大手牛丼チェーン店(例:すき家)
セグメンテーション:外食、中食、内食をセグメントとして設定。
ターゲティング:女性客やファミリー層をターゲットとする。
ポジショニング:女性やグループ客、ファミリー層も入りやすい牛丼チェーンというポジションを築く。
・タピオカ専門店
セグメンテーション:10代〜20代の若年層の女性をセグメントとして設定。
ターゲティング:SNS(インスタグラム)のユーザーを対象とし、お店や商品を写真映えするビジュアルにする。
ポジショニング:コーヒーは苦手だがカフェは好きという層に向けてお茶専門店のイメージを与えて、あえて提供商品を絞ることでこだわりのあるブランド性を築く。
これらの事例から、STP分析を効果的に活用することで、各企業が独自のポジションを築き、市場での競争力を高めることができることが分かります。
飲食店経営者は、自社の特徴やニーズに合わせた市場セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングを検討し、効果的なマーケティング戦略を立案することが重要です。
会員証アプリで得たデータをSTP分析に活用
来店したお客様を会員化してポイントサービスなどを実施できる会員証アプリを導入することで、STP分析を活用しやすくなります。
会員証アプリは「どんなお客様が、いつ来店して、いくら使ったのか?」などのデータを得ることができ、そのデータを基にSTP分析を実施して経営に活用することができます。
会員証アプリで得られる性別・年代別の顧客来店データは、STP分析における「セグメンテーション」の部分でとても重要な材料となります。
また、近年では顧客ニーズが多様化してきているため、顧客来店データでニーズを洗い出すだけではなく、お客様にアンケートを実施してニーズを具体的に聞き出すことも非常に高い効果を発揮します。
私たちが提供する「レストラン★スター」は、飲食店の会員証アプリを作成するサービスです。アプリにはポイントカード機能やアンケート機能など飲食店がSTP分析に活用する機能が実装されています。
また、レストラン★スターはアプリを作成するだけでなく、運用支援まで行うサービスですので、アプリ会員数の増加やデータの収集と分析なども徹底サポートいたします。
顧客ニーズの多様化は、飲食店にとってクリアすべき課題とも言えますが、逆に言えばクリアすることができれば大きく飛躍することができます。データを経営に活用することは飲食店にとって今後ますます重要になってきますので、そのデータを集めて活用できるレストラン★スターアプリの導入を是非ご検討ください。
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まとめ
飲食店経営者にとってマーケティング戦略の立案が成功の鍵となります。
STP分析は、その重要な分析手法として欠かせないものです。
ただ、STP分析を実施するためには顧客やニーズを正確に把握し、競合他社に対して優位に立つために、十分なリサーチと情報収集が必要です。
会員証アプリのデータは実際の顧客の生きたデータとして、自社の実情に合った戦略立案に役立ちます。
STP分析を活用し、自店の強みを生かした効率的なマーケティング戦略を築くことで、消費者を増やし、競合店より優位性の高い経営を目指しましょう。
それではこの記事は以上です。
あなたの飲食店経営のヒントにしていただける部分があれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。